ごあいさつ

第24回日本がん分子標的治療学会学術集会
会長 西岡 安彦
徳島大学大学院医歯薬学研究部
呼吸器・膠原病内科学分野 教授

第24回日本がん分子標的治療学会学術集会におきましては、新型コロナウイルス感染拡大による延期対応にもかかわらず、たくさんの会員の皆様ならびにご発表予定の皆様からご協力をいただきに心より御礼を申し上げます。新型コロナウイルス感染症は緊急事態宣言解除後も都市圏を中心に感染者が続いており、まだまだ予断を許さない状況です。当初6月17日〜19日に開催予定でありましたが、10月6日(火)〜8日(木)に延期をさせていただき、学術集会の開催形式等につきましても検討を重ねてまいりました。研究者における交流の場としての学会活動の重要性と3密を避けた感染対策の実施の両要素を考えました結果、WEB掲載と主要講演のLIVE配信(当日徳島会場より)のハイブリッド形式で下記のように開催を予定いたしました。

1) 会場の感染対策
・参加者の検温チェック、マスク着用と手指衛生の準備
・会場数を2会場とすることで1会場のスペースを十分に確保し、3密を避けた状態で運営(1/2以下の入場者数に制限)
・会場内の椅子の配置を工夫(前後左右に近接しない)し空間を確保
・講演の間にドアを解放した室内換気の時間を設定

2) 当日徳島会場での講演およびLIVE配信
・指定演題(基調講演、シンポジウム、教育講演、Year in Review、鶴尾隆賞受賞講演)
・ランチョンセミナー

3) WEB掲載による発表(会場発表はなし)
・一般演題(ワークショップ、ポスター発表)
・スライドデータをWEB掲載し、事前に閲覧できる期間を設置
・閲覧期間に発表者への質問を入力いただき、当日までに発表者から回答いただく(システム検討中)

4) 参加登録
・事前参加登録形式
・事前参加登録後にWEB発表閲覧とLIVE視聴用のID、パスワードを送付

感染防止・参加者の安全確保につきましては、今後もさらに検討を重ね、万全の準備を行いたいと考えております。ワークショップ、ポスター発表予定の学会員の皆様には、事前に発表ファイルをご用意いただくことになりますが、何卒ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
ハイブリッド形式への変更により通常開催以上に多くの演題に目を通すことが可能かと存じます。事前登録にはなりますが、ぜひ一人でも多いご参加・登録をいただけますようお願い申し上げまして、ご挨拶とご説明とさせていただきます。
まだまだ新型コロナウイルス感染による大変な状況が続く中、昨今の大雨災害による影響等もあり、学会員の皆様にはご苦労も多いかと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。

2020年7月15日


この度、第24回日本がん分子標的治療学会学術集会の会長を務めさせていただきます徳島大学の西岡安彦でございます。伝統ある本学会の会長の機会を頂きましたことを心より御礼申し上げます。

第24回日本がん分子標的治療学会学術集会は、令和2(2020)年6月17日(水)から19日(金)にかけての3日間、徳島市の徳島グランヴィリオホテルで開催の予定です。徳島での開催は、2009年の第13回学術集会以来で11年ぶりの開催となります。思い起しますと第13回は本学会が研究会から学会へと発展を遂げた記念すべき年でありました。一方、2020年も東京オリンピックの開催年という歴史的に大きな節目となる年です。

この大きな節目の年に相応しい学会となるようメインテーマを「次世代のがん分子標的治療を探る〜独創的連携から独創的創薬へ〜」とさせていただきました。1996年の設立以来の本学会の大きな使命は、産官学連携による創薬の推進であります。23年の年月を経て今やがん分子標的治療薬はなくてはならない薬物療法となり、がん治療に大きく貢献しており、その集大成の一つとも言えるゲノム医療が実臨床の場でスタートしつつあります。また、免疫チェックポイント阻害薬というがん免疫療法の登場により、がん分子標的治療の裾野も確実に広がり、固形がんにおいても進行がん患者に対して薬物療法によるcureを目指す時代に向かいつつあると言えます。これまでのがん分子標的創薬を背景に、さらなる治療薬の開発には何が求められるのか?本学会の最大の強みである産官学連携という視点から次世代の創薬を見つめ、基礎研究者・臨床研究者に求められる新たなアプローチを探りたいと考えております。

また、本学会固有のテーマであるケミカルバイオロジーや薬剤耐性の話題に加え、ゲノム医療、AI、細胞療法などの新たなキーワードにつながる最新の話題についてもシンポジウム、ワークショップを基本に幅広く提供できるようにプログラム委員や会員の皆様のご協力をいただき企画する予定です。一方で若手会員の増加は本学会の今後の大きな課題の一つです。がん分子標的治療に関心を持つ若手研究者の方々にも役立つ教育的な企画も準備したいと考えています。

夏を前にした徳島は、海の幸、山の幸も豊富です。ぜひ多くの方々にご参加いただき、オリンピックの前に徳島でがん分子標的治療に関する熱い議論を交わしていただきますよう改めてお願い致しまして、ご挨拶とさせていただきます。